福祉職は医療職との関係悪化があることも

充実した介護サービスを提供する上で、医療面と介護面の連携は重要なテーマです。しかし、双方の価値観や業務の担当分野の違いは、単純な情報共有だけでは解決できない事があります。
医療職は利用者さんの身体機能面や既往歴を重視して対応する事が中心になりますが、介護職は食事や排泄、入浴などの生活における不自由な点をサポートする内容を重視します。これはどちらが優れているといるという事ではありませんが、現場対応では医療面のサポートが優先される場面が多く医療職の負担が大きい傾向にあります。にも関わらず介護施設に勤務する医療資格者は少なく、自然と介護スタッフにも負担や責任が強いられる場面が出てきます。
小さな負担も積み重なると大きな不満になります。介護職の給与は医療資格者に比べ少ないにも関わらず、負担と責任だけが増える事になれば現場の人間関係にも影響が出ます。面倒ごとは避けて責任の無い仕事ばかり選んで勤務するスタッフや、仕事に私情を挟み込むスタッフが出てくると現場の士気は下がる一方でしょう。職場の人間関係の悪化は退職理由の1位です。さらに新しいスタッフも入りづらい雰囲気になり人員の入れ替わりが激しくなります。こうなると充実した介護サービスの提供は行えません。
連携の目的は利用者さんにより良いサービスを提供する事です。つまらない人間関係の悪化が退職理由になって本末転倒な事態にならないように、医療職と介護職の間で潤滑なコミュニケーションを取り、双方共に不要な負担がかからないような環境を作る事が大切です。